はじめに
イタンジ株式会社の兼田です。
現在更新退去くんというプロダクトの開発をしていますが、イタンジにjoinしてから早4年半程経ちました。 私自身は2014年の新卒ですので、エンジニアになってからでいうともう間も無く10年が経とうとしています。 イタンジのメンバーは20代のメンバーがかなり多いので、 弊社の中で見ると(エンジニアに限らずとも)私はもはや古参の分類に該当しているかもしれません。
ということで、今回は10年程エンジニアとして働いてきた感想を述べたいと思います!!
・・・と言っても、感想だけ書くと抽象度の高い内容になってしまいそうなので、 自身の体験も踏まえて私が個人的に思うエンジニアが気をつけたい思考のクセと育児の共通点を考えてみました。 (私事で恐縮ですが、私自身が二児のパパでして、育児をテーマに入れさせていただきました)
こんな人に特に読んでほしい
エンジニアとしてまだ経験が浅く(目安: 新卒2~3年目くらいまで)、開発効率をアップさせたい
メンターやリーダー業務において指導時にどのような意識づけや言葉選びをすればいいかヒントが欲しい
※個人的見解を大いに含むため、全く当てはまらない方もいらっしゃると思いますので広い心でお読みいただけると幸いです。。
1.手段と目的がごっちゃになっている
何事でもそうだと思いますが、やり始め・駆け出しの頃は大抵自分のこと・目先のことでいっぱいいっぱいなので 今やっていることがこの先の何に繋がっているのかを意識しながら物事行うのは難しい、ということがよくあると思います。
ですが、目的(=ゴール)が整理できていない状態で進んでしまうとゴールするまでに無駄な道を通ってしまって本来より余計に時間がかかってしまう可能性が高くなります。
イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」という書籍があります。 この書籍では、
「問題を解く」より「問題を見極める」
ことが重要であるといった趣旨の記載があります。 つまり、問題を見極めることで、本当は取り組む必要のない問題を取り除き、 本当に決着をつけるべき問題に集中して取り組むべきである、という意見です。
これはエンジニアでもよく当てはまると思います。
意外と、気づかないうちにやる必要のないことをやってしまって、 本当にやるべきことに辿り着くまでに遠回りしていることがあります。 やる必要のないことと言うのは
今解決しても喜ぶ人が誰もいないようなこと
良かれと思ってやったことにより余計に時間がかかってしまうこと
などのパターンがあると思います。
何か行動を起こす時の目的は何らかの問題解決であることが大半なので、 問題(=目的)が何であるかを言語化するなどしてはっきりさせた上で、 そのための手段がプログラムを書くことかもしれないし、 ChatGPTに質問することかもしれないし、はたまた社内社外問わず有識者に相談すれば解決することなのかもしれません。
ただ、それはいずれも問題解決のための手段にすぎない、ということを忘れないようにしましょう。 知らず知らずのうちにプログラムを書くこと自体が目的になってしまっているケースがあります。
抽象度が少し高いと思いますので、これを私の育児エピソードに置き換えてみると、 良かれと思ってやったゴミ捨てや料理などの音で、寝ている赤ちゃんが起きてしまったことがありまして・・ (多分お子さんをお持ちの家庭なら体験したことがある人が多いのではないでしょうか)
ゴミ捨てなどの家事をする目的は「妻を少しでも楽にさせてあげたい」ということなのですが、 良かれと思ってやったことで余計な対応が必要になってしまったパターンで、反省しました。。
育児に置き換えてしまうと「現実の仕事や業務で、こんなことほんまに起こるんか?」と思われるかもしれませんが、 意外と気づかないうちにこのような事態になってしまっていることがあるので気をつけたいですね。
2.当事者意識が不足しがち
これは私も新卒の時そうでしたし、気を抜くと今でもなってしまいます。 ただし、非常に重要な意識づけだと思っています。
こちらは先に、私の経験した育児における当事者意識不足のエピソードを紹介します。 育児における当事者意識不足について妻と昔の話を掘り返していたところ、 「仕事では不安だったら色々自発的に調べたり本読んだりして工夫するのに、 こと育児になると何も調べずに何でも真っ先に私(妻)に聞いてくるのが、当事者意識がないと思った」という話が挙がりました。 このスタンスだと私(=筆者)に相談できない、というのが妻のつらみだったようです。
つまり当事者意識とは、身の回りで起こる課題は全て自分ごととして捉えて他人の責任にしないという意識のことです。
その人の興味や知的好奇心がどこに向いているかというのも関係してくるとは思いますが、 私の周りにいたとても成長した若手エンジニアは非常にアンテナ高く、 建設的にいろんな課題を自分ごととして捉えて自ら関わりにいく姿勢が強かったように思います。 こういう姿勢は、年次に関わらず私自身勉強になることもたくさんありますし、 弊社にもこういったメンバーはたくさんいますので今でも非常に勉強になります。
3.報告や共有のタイミングが遅い
これもあるあるだと思います。
悩む時間が長い
一日かけて悩んでしまう
その結果、共有が遅れる
そもそも共有した方がいいという意識がなかったりする
悩んでいる時間は、実は思考が同じところをぐるぐる回っているだけだったり、質問や相談をすることを何かの理由で遠慮しているだけの時間だったりします。 この時間の間に、周りの同期やメンバーはどんどん成長していると意識しましょう。 1分を無駄にしてしまうとそれがどんどん長引いて、1時間、1日を無駄にしてしまう、という結果に繋がりやすくなる、と思います。
こちらも、イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」という書籍からの言葉の紹介になりますが、
「悩む」=「答えが出ない」という前提のもとに、「考えるフリ」をすること
「考える」=「答えが出る」という前提のもとに、建設的に考えを組み立てること
という記述があります。 このブログを書いていて思いましたが、何回か建設的というワードが出てきていると思いますが、 この言葉はいろんな場面でポイントになる言葉と思っています。
先述しました当事者意識というポイントが個人の問題だとすると、報告や共有のタイミングというものはチームが前提となっている意識付けにあたると思いますが、 個人でもチームでも「今日1日の自分の働きは建設的であったか?」と自問自答したり、日報で振り返ったりすると良いと思います。
「建設的であったか?」という視点に立つと、報告や共有が遅くなることでその後続タスクや別のメンバーの働きに影響を与えてしまい非建設的な働きをしてしまうことに繋がることが想像できると思います。 なので、報告や共有・相談などのタイミングが適切であったかを日々の振り返りの一つの項目に組み込むのが、オススメです。
これもまだ少し抽象度が高いかもしれないので、振り返りという視点と育児(というか「家族経営」みたいな視点?)の共通点を考えてみます。
我が家では夕食時は家族全員で、静かな環境で、テレビや音楽も消して、
- 今日1日どんなことがあったか
- 今日1日で一番印象に残ったことは?
- それに対してどう思ったか
- 明日はどういう一日になりそうか?(予定がある場合はそれを共有)
をそれぞれ話しながら食事をすることが多いです。 www.amazon.co.jp
子育て本からの引用になりますが、こちらの書籍では
食卓を囲んで大人の話を聞き、振る舞い方を覚え、自分の居場所を見つけ、子供はそうやって大勢の中での自分を確立していきます。
という記述があります。 これはチームでの仕事における成長や貢献度と全く同じことを言っているように私は思えました。 チームにおける自分の居場所を見つけたり自ら作り出したりして建設的な取り組みをすることで、それが結果として社会に貢献できると素晴らしいことだなと思います。
4.pull request(merge request)のレビューコメントをもらうと人生終わった気分になる
GitHubのpull request(GitLabの場合はmerge request) を出して、いろんなレビューコメントをいただくことがあると思います。 私もpull requestを出してコメントをいただいた時は
- コメントをもらってしまった..
- なんでこんなことも気づかなかったんだ..
という気分になることがあります。 人によっては人生終わった的な気持ちになる方もいるかもしれませんが、 メンタルをやられる必要はなく、なんならまだ何も始まってすらいません。 レビューをいただいたところがスタート!という新たな気持ちで問題ないです。 ただし、
- 次同じコメントを貰わないようにするにはどうすればいいか問題点を整理して振り返る
- 自分自身でいただいたコメントをきっかけに情報収集して深掘りをする
といった具体的なアクションを起こすことが大事だと思っています。 私も、メンバーがもらったコメントを一定期間ごとに分類分けして原因をカテゴライズして分析をする取り組みをしたことがあります。 そこから具体的なアクションに繋げられると一番良いですね。 (こちらはすでに具体性が高いかなと思いますので、育児との共通点分析を省略させていただきます。何かに例えられる方、コメントお待ちしています..)
最後に
最後までお読みいただきありがとうございました。 他にも日々の業務で意識すべきこと、意識しない方がいいこと、多々あると思いますが、 今回の記事ではこの4つにまとめてみました。 一人でも多くの方の参考になれば幸いです。