UMPC のすすめ

はじめに

はじめまして、イタンジ株式会社で ITANDI BB の開発をしている加藤です。 休日は個人サービスの開発をしたり、ジムで筋トレしたり前職のエンジニアと Discord でボイスチャットをしながらゲームをしていることが多いです。

今回は最近はまっている UMPC のことについて書いていこうと思います。

UMPC とは?

まず、UMPC は Ultra-Mobile PC のことでノート PC とスマートフォンの中間くらいに位置するタブレット PC のことです。

画面が 9 インチほどで、重量も 1kg 以下のため持ち運びが楽なのが特徴ですね。

昔はノート PC ですら排熱と性能のトレードオフで難儀していた記憶がありますが、最近は部品の小型化&省電力化が進んだためにこういった製品も実用的になってきたのかなと思います。

特に CPU の内蔵 GPU は進化が凄まじく、比較的軽量な 3D ゲームならそのまま遊べるほどです。

ベンチマーク

今回はそんな UMPC の中で Valve Corporation が展開している Steam Deck について紹介したいと思います。

Steam Deck は Arch Linux をベースにした独自 OS である Steam OS を搭載し、プロセッサーは Zen 2 4コア/8スレッド、GPU は RDNA 2 8 CU となっています。

RDNA 2 は性能は違いますが PS5 に搭載されているものと同じアーキテクチャで、大体デスクトップ用の GTX 1050 ほどの性能と言われています。

今回はその Steam Deck に Windows 11 を導入して手元にあった FFXIV Endwalker ベンチマークを実行してみました。

条件としては最高品質、解像度 1280 x 720 とし、結果は「6218」でした。

解像度 1280 x 720 での計測なので、1920 x 1080 と多少結果が異なりますが、こちらのサイトによると Core i5-7300HQ + GTX 1050 で「6308」のようです。

GTX 1050 と同じか少し下ほどの性能なのが確認できますね。

独自 OS の Steam Deck

ただ、Steam Deck は一般的にメジャーな Windows ではなく Linux ベースの Steam OS であるため直接 Windows 用のゲームを動かすことはできません。 (先程のベンチマークの時のように Steam Deck に Windows をインストールする方法はありますが)

そのため Proton という互換レイヤーを使うことで動かすことを可能にしています。 Proton はLinux/Mac ユーザーなら一度は触ったことがある、あの Wine をベースにいくつかのグラフィック用 API を含めたものです。 オープンソースで公開されているためソースコードも確認できます。

github.com

さらに Proton を fork して拡張され、性能が向上している Proton GE というものもあります。

github.com

最近の 3D ゲームによく使用されている DirectX をよりローレベルかつクロスプラットフォームの Vulkan へ変換する DXVK というオープンソースライブラリが Proton を支えています。

github.com

ゲームによっては設定で API を DirectX から Vulkan へ変更できるものもありますね。

色々紹介しましたが、Steam Deck は難しいことを考える必要なくワンボタンで起動するプラットフォームを変更することができます。

これによって幅広い互換性を保っているのが素晴らしいです。

おわりに

昔と比べてもハードウェアとソフトウェアの両方が進化しているので、一昔前のエントリーゲーミング PC 相当の性能のマシンがバッテリー駆動でしかも 1Kg もしない事に感動したため紹介させていただきました。

やはり、ベッドに寝転がりながら気軽に PC ゲームを楽しめるのはいいですね! 最近は Steam Deck で Windows 版の FFXIV をプレイしています。(これは Proton GE で動きます)

最後まで読んでいただきありがとうございました。